十二ケ月のうち 長月
 絵 師 歌川(三代)豊国
 版 元 湊屋小兵衛
 形 式 大判錦絵
 年 代 弘化四年~嘉永五年(1847~1852)

*東福寺の紅葉の賀宴での、義尚と光氏兄弟による謡曲「紅葉狩り」。義尚は能面を付け美人に化すが、下着の鱗模様は鬼女を暗示する。光氏は、鹿狩り姿の平維盛。舞いも終わる頃、赤鬼・青鬼の鬼面を付け、狂言衣装の刺客二人が義尚と光氏を襲うが、退散される。
(柳亭種彦『偐紫田舎源氏』九編上参照)
*源氏物語「紅葉賀」の翻案。桐壺帝が朱雀院に行幸したのは、源氏物語では、神無月十日あまりで、光源氏と頭中将とが謡曲「青海波」が舞う。