蛍日記 2-12 蛍の堰の近況・カワニナ放流2
9月18日に500個、9月25日に500個、計1,000個のカワニナの子貝を蛍の堰に放流しました。今年の異常な暑さを考えると、カワニナには自然水流のある堰の方が水槽よりも適していると思われます。来年からは、堰あるいは滝沢川で直接カワニナを生育する計画で、そのためにはカワニナの餌となる珪藻類の繁茂が必要となり、堰に太陽の光が十分に当たるように心掛けています。したがって、堰周りの雑草を刈り込まなければならないということです。堰幅が狭いので、気を付けないとすぐに水面が草に覆われてしまいます。
その方法は、除草剤は絶対に避けて、草刈機で草を綺麗に刈ります。前回掲載した近隣地区(中宿の堰)と比べると格段に整備されていることが分かると思います。仲間のM氏が草を刈ってくれました。彼の畑の脇でもあるので、それほどの負担にはなっていないと信じています。なお、蛍の幼虫が上陸し蛹になる頃は、堰から地上に上りやすいように水面近くの草は一部残して草刈りしている気遣いをしているそうです。ところで堰を写した写真をよく見ると、右側の畑の部分に白い花が一面に咲いているのに気付きます。そばの花です。これは、酷暑の夏から新そばの季節が間違いなく近づいていることの証です。飯綱町は、隣の戸隠ほど有名ではありませんが、意外にもそば処なのです。
記紀に、日本は古来より、「豊葦原瑞穂(とよあしはらみずほ)の国」と言われ、田圃に広がる稲穂の風景は2千年全く変わらず、この点は田舎生活の醍醐味となっています。しかし、豊葦原の言葉が示す、葦の生える湿地は無くなり、蛍の生息地は風前の灯です。さらに、日本を指す言葉に、「秋津島(あきつしま)」、すなわち蜻蛉がいっぱい群れる島という言い方があります。しかし、蜻蛉は田舎でもめっきり少なくなっており、とくに「蜻蛉の群」を見て秋津島を感じることは全くありません。日本の近代稲作は、米に比重を掛けすぎているのかもしれません。蛍の飛翔を復活させる試みは、1つの生態系としての日本の原風景を残したいという気持ちから始めたことです。蛍が飛翔すれば、やがて蜻蛉も群れることになるでしょう。
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コメント
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投稿: model pagar beton minimalis | 2023年10月21日 (土) 01時14分