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蛍日記 2-14 カワニナの屋外水槽飼育終了

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 向かいの家の井戸水をポンプアップし、ホースで大型水槽(100L)に引き込み、水の濾過・循環器を使ってカワニナを飼育していましたが、2年目の作業も終わり、10月14日、水槽に残った500個以上の子貝を蛍の堰に放流してきました。水温が5度を下回ると、屋外水槽では子貝達は生息できないので、自然に流れる堰で越冬してもらとうということです。来年からは、屋外水槽は使わず、蛍の堰で直接飼育していきたいと考えています。今年のように気温30度を超える日々が、7月から9月の3ヶ月まるまる続くと水槽での飼育はかなり大変だからです。水温30度位がカワニナの生存限界のようで、その水温を超えないように井戸水で調整するよりは、自然の流水に任せた方が合理的だからです。その分堰の環境を整備する必要はありますが。

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 累計で2000個以上のカワニナを堰に放流したことになり、仲間のM氏も子貝を堰に放流しているので、3000個に近い子貝が堰に放たれたことになります。蛍の幼虫にとっては大した数ではないかもしれませんが、同時並行して進める蛍の堰の環境整備への第一歩だと考えれば、決して無駄な努力ではないでしょう。来年からは、親貝を直接蛍の堰に捲くということになります。

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 ただし、保険をかけるという意味で、室内水槽に200個程は残し、来春まで観察することにしました。初めは100個程を室内水槽に移すつもりでいましたが、屋外水槽の循環器を洗浄していたところ、100個以上の子貝が見つかって、結局200個以上となってしまったという訳です。実際、屋外水槽の水替えに際して、砂粒のような子貝は相当水と一緒に流してしまっており、発想を逆にして、その水は家の横を流れる中村堰に捨てるように対処しました。この中村堰は少し距離はありますが、下流で蛍の堰に流れ込むので、まんざら無駄にはなってはいないと思われるからです。ちなみに、室内水槽にはサーモスタットが用意されており、水温調整には不安はありません。11月に入ると、井戸水のポンプが凍結する虞があって、水道水を中和して使用することになり、その点は要注意ですが、もともと水源が綺麗なのか、昨年はほとんど支障はありませんでした。

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蛍日記 2-13 蛍の生息地探訪 滝沢川上流

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 蛍の堰が流れ込む滝沢川から下流は、以前述べたように蛍の生息地になっています。では、堰に水を取り込む川の上流部はどうなっているでしょうか。古町地区を流れる滝沢川の最上流部にある石原橋辺りには複数の入水口があって、1枚目の写真はその内の1つです。ちょっとした滝口のようになっており、その手前側から堰に水を取り入れています。

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 25年程前のことになりますが、、入水口の上流部(2番目の写真右側)で、地区の子供達と一緒に魚つかみをした思い出があります。写真の右側上部に石原橋が写っています。しばらくは地区の育成会事業として続いたのですが、その後何年かして危険だということで中止になってしまいました。確かに橋は仮橋なので危ないのですが、川遊び自体は危険だとは思わないのですけれど…。

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 それはともかく、この堰の入水口の下流部は神社を囲む森になっており(3番目の写真)、そこを流れる川筋は蛍の生息地になっています。農家があの石原橋を渡って、軽トラックで田圃に行く途中通過するだけなので、蛍が生息するということは知られていないようです。実は石原橋の上流部にはさらに別の堰の入水口があって、その上流部も蛍の生息地になっています。堰の出水口は一種人工の滝のようになっており蛍がいるのは分かるのですが、入水口近辺が蛍の生息地になっている理由はどこにあるのでしょうか。水を取り入れるための段差の影響か、雑木の伐採、草刈りなど一定の管理維持がなされているからなのか。

 今年、蛍の堰の入水口も新たに整備工事がなされたと聞いています。来年は、この工事結果も含めて、滝沢川最上流部の蛍の生育環境を確認してみたいと考えています。ただし、この辺りは、熊が山から下りてくるルートでもあるので、秋の今はどうしても探索する勇気が持てません!

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蛍日記 2-12 蛍の堰の近況・カワニナ放流2

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 9月18日に500個、9月25日に500個、計1,000個のカワニナの子貝を蛍の堰に放流しました。今年の異常な暑さを考えると、カワニナには自然水流のある堰の方が水槽よりも適していると思われます。来年からは、堰あるいは滝沢川で直接カワニナを生育する計画で、そのためにはカワニナの餌となる珪藻類の繁茂が必要となり、堰に太陽の光が十分に当たるように心掛けています。したがって、堰周りの雑草を刈り込まなければならないということです。堰幅が狭いので、気を付けないとすぐに水面が草に覆われてしまいます。

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 その方法は、除草剤は絶対に避けて、草刈機で草を綺麗に刈ります。前回掲載した近隣地区(中宿の堰)と比べると格段に整備されていることが分かると思います。仲間のM氏が草を刈ってくれました。彼の畑の脇でもあるので、それほどの負担にはなっていないと信じています。なお、蛍の幼虫が上陸し蛹になる頃は、堰から地上に上りやすいように水面近くの草は一部残して草刈りしている気遣いをしているそうです。ところで堰を写した写真をよく見ると、右側の畑の部分に白い花が一面に咲いているのに気付きます。そばの花です。これは、酷暑の夏から新そばの季節が間違いなく近づいていることの証です。飯綱町は、隣の戸隠ほど有名ではありませんが、意外にもそば処なのです。

 記紀に、日本は古来より、「豊葦原瑞穂(とよあしはらみずほ)の国」と言われ、田圃に広がる稲穂の風景は2千年全く変わらず、この点は田舎生活の醍醐味となっています。しかし、豊葦原の言葉が示す、葦の生える湿地は無くなり、蛍の生息地は風前の灯です。さらに、日本を指す言葉に、「秋津島(あきつしま)」、すなわち蜻蛉がいっぱい群れる島という言い方があります。しかし、蜻蛉は田舎でもめっきり少なくなっており、とくに「蜻蛉の群」を見て秋津島を感じることは全くありません。日本の近代稲作は、米に比重を掛けすぎているのかもしれません。蛍の飛翔を復活させる試みは、1つの生態系としての日本の原風景を残したいという気持ちから始めたことです。蛍が飛翔すれば、やがて蜻蛉も群れることになるでしょう。

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