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蛍(しばらくはカワニナ)日記 10

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*『源氏物語』二十五巻「螢」の巻を画題とした作品です。作品上部には、「聲はせで 身をのみこがす ほたるこそ いふよりまさる おもひなるらん」という和歌が記されています。玉葛が隠れていた几帳に源氏が近寄り、掛けられていた布の1枚を引き上げると、あらかじめ源氏が布の中に隠しておいた蛍が現れ、庭に飛んでいきます。蛍のほのかな光に浮かぶ玉葛が描かれています。歌川(三代)豊国・中判錦絵『源氏香の圖 螢』(山本屋平吉・天保14年~弘化4年・1843-47)

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100匹乱舞計画!
 三石暉弥『ホタルと暮らす ゲンジボタルその不思議な一生』(信濃毎日新聞社・2010)p56によれば、1匹の蛍の幼虫がさなぎになるまでに食べるカワニナの量は、「中くらいのカワニナ20体前後」とあり、また、大場信義『こころも育つ 図解ホタルの飼い方と観察』(ハート出版・2012)p34には、「カワニナは一つの水槽に対して10~20個ほどの親貝を共存させる」、同書p92には、「幼虫が十分成長するまでにカワニナ約30個が食べられる」とあります。カワニナが年間どの位子貝を産むかについては、水槽の観測推計ではおそらく少なくとも300個以上、多ければ600個程、環境が良ければ数千個はいくのではないかと推測されます。あくまでも目標値として言えば、中型のカワニナ(たぶん2年目)20個×蛍100匹=2000個を用意することはそれほど不可能な数字ではありません。もちろん、2~3年は掛かりますが、それまでは、蛍のいない場所で採ったカワニナの親貝を、蛍の生育している堰に放流して時間を稼げば良いと考えています。

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 養殖カワニナを買って放流するという方法もありますが、遺伝子の撹乱を避けるために、地元のカワニナを増やす方法で、少し時間を掛けて行います。なお、野生(?)のカワニナを探す場所は、放流するのと同じ「北堰」水系なので、場所の移動だけで地元のカワニナ自体が絶滅することはないでしょう。問題があるとすれば、堰近くの雑草を枯らすため農家が使用する除草剤です。除草剤は地上だけではなく、水中の草も枯らすということは見落としていました。流水によって希釈されるとは言え、田圃の間を流れる小さな堰ですから影響はありますね。

 放流した後のカワニナの餌のこと、蛍が地上に上がる堰の拠り所(足場)のことなど、堰の管理方法について、まだまだ現場で対策しなければならないことは多くあります。水槽でのカワニナ飼育は重要な部分ではありますが、一部だと言うことです。

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蛍(しばらくはカワニナ)日記 9

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*子供らは虫籠を持っており、母や年上の娘達は団扇を使って蛍を捕まえようとしています。自分の記憶を紐解いても、昔は蛍は狩るものでしたが、今では鑑賞するだけです。中央の女性が着る絣(かすり)模様の生地は縮(ちぢみ)と呼ばれ、襦袢(じゅばん)が透けて見えそうです。涼しげですね。喜多川歌麿・大判錦絵三枚続『蛍狩り』(和泉屋市兵衛・寛政8~9年・1796-97・ボストン美術館)

 お盆は明けても暑い日が続き、爽やかな信州はどこへ行ってしまったのでしょうか。昼夜の寒暖差も10度位あります。1日の中でも、水質、とくに酸素濃度の大きな変化が予測されます。カワニナが元気ならば、水槽を上下しながら自分で環境に合わせるのですが、一番小さいサイズの(若い)カワニナ1匹は、以前の生息環境(水の少ない小江戸堰)に適応していたのか、捕まえてきて以来水槽を上下運動をしないタイプでした。そのため、酸欠に堪えられなかったようで、死んでしまいました。これはある程度想定の範囲内でした。

 問題なのは、大きいサイズのカワニナ1匹が、最近、水面近く一箇所に止まったままのことが多く、移動する体力が欠如しているように感じられたことですが、案の定、ある日そのまま水槽の底に沈んで死んでしまいました。カワニナの寿命は2~3年とされ、おそらく移動する体力が欠如し、酸素と餌不足に陥り、死んでしまったようです。とすれば、他の大きいサイズのカワニナも同じ理由で昇天してしまう可能性があります。若くても、大きくても、いずれにしろ、一定の数が確保できるまでは、カワニナの移動性にあまり大きく依存する飼育は危険だということを学びました。

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 ということで、エアーポンプを導入しました。カワニナにとって、水槽内どこにいても酸素を一定に保つことができます。また、流水に近い状態になるので、水の入れ替えの回数を減らすことができます。カワニナと私(腰)、共にウィンウィンの関係になるという訳です。製品は、太陽光発電式のエアーポンプです。充電式で、夜でも電池がある限り動いています。なお、写真には餌としてスイカの皮が映っています。家庭菜園で孫のために作った小玉スイカなのですが…。

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