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54 美濃国 「加納」

「五拾四 木曽海道六拾九次之内 加納」  廣重画 錦樹堂


Kisokaido55 『木曽路名所図会』(巻之2)は、加納について、「鵜沼まて四里八町。當城主永井侯三万二千石を領ぜたる。町長し。又商人多し。岐阜へ壱里町續(つゞき)きなり」とあって、城下町であることが示唆されています。『岐蘓路安見絵図』(加納)に、「ぎふ道 ぎふへ一り有。信長公の居城也し」と記されるように、加納は、岐阜道と名古屋道との中継地に当たり、美濃16宿中最大の宿場町として発展しています。

 当作品は、宿場から南東方向に見える加納城を背景に、松並木の中山道を江戸方向に歩む大名行列を描いています。加納宿が城下町であることに関連して、大名行列を配置したものと思われます。ちなみに、『旅景色』(目次)は、城下の宿場として、高崎、安中、岩村田、加納を挙げています。高崎には高崎城の土盛部分、安中には大名行列、岩村田には川中島合戦の見立て、加納には再び大名行列といった具合に、城下町(武士)を意識した題材となっています。他方、本庄と落合に描かれる大名行列は、城下町という視点ではなく、川幅や坂道の長さを表現する道具として使われていると考えられます。

 制作過程について、当作品は広重の後掲スケッチ帖に基づいていると考えて間違いないでしょう。街道脇の土産物屋を見ると、軒数などスケッチ帖そのままではないことも明らかになります。この点から、作品が構想図はもちろん、実景図であっても、同じ景色があると仮定して、それを探す試みには十分な注意が必要なことが判ります。


*注1:『秘蔵浮世絵大観1 大英博物館Ⅰ』画像番号163

S_kano

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