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「石部」 歌川国芳 伊勢屋市兵衛

52_new 「いせもとり ならふ枕の 二見潟 かたき石部で とらる合宿 梅屋」


 上部の枠内には、伊勢参りの旅装束一式が描かれ、矢立、旅日記が見えます。下部は、歯を磨き、うがい用の茶碗を持つ少女です。前髪の赤い布も幼さの表現です。伊勢戻り、石部、合宿などの言葉から、人形浄瑠璃や歌舞伎の演目『桂川連理柵』の主人公、信濃屋お半、14歳であることが判ります。お半は、伊勢参宮下向に際し、石部で、信濃屋の丁稚長吉から逃れて、帯屋長右衛門、38歳と合宿をしますが、それが機縁となって結ばれた二人は、結末として桂川で心中をするに至ります(『カブキ101物語』60頁参照)。長右衛門がお半を背負って桂川まで至る、道行きの場面が有名です。画中の二羽の雀は、その道行きを暗示するものでしょうか?

*保永堂版東海道「石部」では、広重は『東海道名所図会 巻之二』の図版から「草津」に近い「目川ノ里」を描いています。一見本作品の画題とは無関係そうですが、その図版中に伊勢踊りの一行の姿があることに気づけば、ともに伊勢参りを意識していることが判ります。

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