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「鳴海」 歌川三代豊国 伊勢屋市兵衛

41_new 「鳴海より壹里ほど東に有松村といふあり。此所の名物ハ 細き木綿をいろいろに絞りて紅と藍とに染分 諸國へ商ふ。これをありまつしぼりといふ。店前に多くかざりてこれをのみあきなふ家所々にあり。」


 『東海道名所図会 巻之三』に、「名産有松絞」の項があり、また図版があります。上の文章は、そこから引用されています。同図会には、女性達が布を括っている様が描かれていますが、三代豊国の応需作品も、「松竹梅」の模様の入った布に括りの作業をする女性を描いています。働く女性像となっているのは、「四日市」の海女や「水口」の大井子と同様、美人画の規制を逃れる方便と考えた方が良さそうです。背後の手拭いには、藍と白抜きで、歌川派の年の丸紋が染められています。歌川派の総帥たることの強調でしょう。

 有松絞りあるいは鳴海絞りは、尾張藩の保護を受け、また、宿場町としての地の利を生かして旅の土産として大いに売れ渡ったこともあって、江戸でも大評判となっています。

*保永堂版東海道「鳴海」は「名物有松絞」と題され、『東海道五十三對』と同趣旨の作品として絞り製品の並ぶ店頭販売風景が描かれています。徒歩、駕籠、馬など各種の女旅を配置しているのは、女性に人気のあった「名物有松絞」に合わせた結果です。

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