« 「関」 歌川広重 海老屋林之助 | トップページ | 「庄野」 歌川国芳 伊場屋仙三郎 »

「亀山」 歌川広重 伊場屋久兵衛

(おまつ 源之丞 袖助)

47_new「まだ霧ふかき 朝まだき城のこなたの松原にて 源之丞が二人りの倅 かんなん辛苦も時を得て 恨ミかさなる水右衛門を首尾よく討取 本地に返り 名を萬代に残しける。めでたしめでたし。」

「石井が隠妻(ことつま)お松といへるハ 明石の里に侘住ひ 二人り子供を養育し 賎が手業に世を送る。まづしき中に操を立 夫の身の上物案じ しばしまどろむ夕暮に 門辺にたゝずむ源之丞。昔にかハらぬ立派の出立。お松ハ嬉しく出迎ひ 御堅固なりしか我夫 といハんとすれバ こつぜんとねふりハさめて逆夢(さかゆめ)なる。返り討ときくよりもひたんに袖をしぼりしが 思ひ定めて幼子を舅の源蔵に預け置 みどりの黒髪をおし切りて 菩提の道に入にける。」


 「亀山」には、石井半蔵、源蔵兄弟が父と兄の敵を苦節28年後に討った実際の事件があり、それは各種の浄瑠璃や芝居の題材となっていて、万人に有名な話でした。広重は、その話を受けて、上部には、兄弟の仇討ち姿を、下部には、夫が返り討ちにあった逆夢を見る妻お松を描いています。『東海道名所図会』を使用しない(できない!)場合は、浄瑠璃・歌舞伎等が題材になる好例です。

*保永堂版東海道「亀山」の「雪晴」は、この石井兄弟の仇討ち話が意識され、本懐成就の雪晴として描かれています。

|

« 「関」 歌川広重 海老屋林之助 | トップページ | 「庄野」 歌川国芳 伊場屋仙三郎 »

東海道五十三次」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/197953/58402728

この記事へのトラックバック一覧です: 「亀山」 歌川広重 伊場屋久兵衛:

« 「関」 歌川広重 海老屋林之助 | トップページ | 「庄野」 歌川国芳 伊場屋仙三郎 »