« 五 大宮 安倍宗任 | トップページ | 七 桶川 玉屋新兵衛 小女郎 »

六 上尾 三浦の高雄

版元:林屋庄五郎 年代:嘉永5(1852)年6月


Kn06  「高雄」(高尾)とは、吉原遊女の最高峰の一人、三浦屋の高尾太夫のことで、その名は代々受け継がれていて、ここでは二代高尾、俗に仙台高尾と呼ばれる女性を指しています。当シリーズ「日本橋」で登場した足利頼兼(伊達綱宗)が身請けしようとした遊女のことです。国芳は、頼兼が高尾をその体重と同じ重さの黄金で身請けしたという伝説を画題としていて、天井より吊された天秤棒の片方に高尾が載り、反対側に小判がこぼれた複数の千両箱が見えています。高尾は着物を何枚も重ね着し、振り袖や着物の中に小物などいくつも隠して重くしたとも言われています。傍らに描かれる三浦屋の主人夫婦の表情からも読みとれますが、二人の欲張った策略でしょう。小判で吊り「上」げられた高「尾」ということから、「上尾」に掛けられています。一方で、高尾は紅葉の名所で、その名所の高尾に因んで標題は紅葉で囲まれています。

Kom06  同じく、コマ絵の枠も紅葉の形に切り取られています。そのコマ絵を見ると立場茶屋風の建物が何軒か続き、この構造は、英泉・広重版木曽街道の「上尾」の風景と同じように感じられます。英泉・広重版の「上尾」は、『木曽路名所図会』巻之四に紹介ある、大宮から上尾に至る途中の加茂村(社)の農家と立場茶屋を描いていました。情景に特徴がないので、コマ絵を上尾の宿場そのものとしても良いのですが、英泉・広重版の先行作を尊重して立場茶屋風景としておきます。多くの場合、国芳のコマ絵は、英泉・広重版木曽街道を意識しています。

|

« 五 大宮 安倍宗任 | トップページ | 七 桶川 玉屋新兵衛 小女郎 »

木曽街道六十九次」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/197953/57137926

この記事へのトラックバック一覧です: 六 上尾 三浦の高雄:

« 五 大宮 安倍宗任 | トップページ | 七 桶川 玉屋新兵衛 小女郎 »