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十四 高﨑 此村大炊之介

版元:八幡屋作次郎 年代:嘉永5(1852)年5月 彫師:多吉


Kn14  此村大炊之介という人物は、寛政12(1800)年2月、江戸市村座上演、歌舞伎『楼門五三桐』(さんもんごさんのきり)に登場し、真柴久吉(豊臣秀吉)の重臣、実は明の宗蘇卿(そうそけい)と設定されています。真柴家の天下を覆し、日本を乗っ取ろうとする奸計を見破られたため、大炊之介は、自害する直前に、自らの血で記した遺書を掛け軸に描かれた白鷹に託し、一子・石川五右衛門に届けさせます。その遺書によって、五右衛門は自身が大炊之介の実子であることを知り、久吉への復讐を誓い、話は有名な「南禅寺山門」の場へと進行します(詳細は、『カブキ101物語』118頁参照)。 

 本図は、まさに軸から抜け出た鷹が飛び去ろうとする場面で、大炊之介は唐人服を着た異国風の風俗で描かれています。標題も、大炊之介の異国の持ち物で囲まれています。「高崎」との関係は、「鷹」が「先」に飛ぶという地口のようです。

Kom14  コマ絵の枠は、鳥(鷹)が飛ぶ姿を上方から見た意匠です。コマ絵内の風景は、英泉・広重版木曽街道の「高崎」と照らし合わせると、榛名山を背景とする高崎宿の情景と考えられます。

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