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廾七 芦田 あらい丸 女月尼

版元:住吉屋政五郎 年代:嘉永5(1852)年8月


Kn27  文化3(1806)年、山東京伝の読本「善知鳥安方忠義伝」(うとうやすかたちゅうぎでん)を脚本として、天保7(1836)年7月江戸市村座「世善知鳥相馬旧殿」(よにうとうそうまのふるごしょ)に代表される、多くの浄瑠璃・歌舞伎が上演されていますが(『カブキ101物語』200頁参照)、「女(如)月尼」は、ここに登場する妖術使いで、平将門の遺児、後の瀧夜叉姫のことです。同じく将門の遺児で弟の太郎良門とともに、筑波山で蝦蟇の妖術を身につけ、亡父の遺志を継ぎ謀反を企てます。

 国芳作品は、筑波山中で、鈴、鏡、刀、松明を持って蝦蟇の妖術を修行する如月尼と生首を突き立てた従者「あらい(荒井)丸」とを描いています。この後、如月尼は将門が築いた相馬の御所に行くこととなります。したがって、標題の周りは、相馬に因んで馬で覆われています。そこで起こった事件が、有名な国芳作品『相馬の古内裏』大判三枚続作品に示されています。なお、宿場名「芦田」との関連は、如月尼の足下の、雨中や雪中に履く「足駄」(あしだ)の地口です。

Kom27  さて、コマ絵は、善知鳥(うとう)物語に因んで、海鳥の善知鳥の形です。コマ絵内の風景ですが、英泉・広重版木曽街道の「あし田」と同じく、西方から見た「笠取峠」と思われます。ただし、英泉・広重版では杉であったものがコマ絵では松になっている点で、有名な「笠取峠の松並木」それ自体が画題となっているのかも知れません。背景は、浅間山となります。

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