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十五 板鼻 御曹司牛若丸

版元:林屋庄五郎 年代:嘉永5(1852)年5月


Kn15  本図は一見して明らかなように、牛若丸(後の源義経)が鞍馬山で烏天狗相手に剣術の稽古をしているところです。烏天狗は牛若丸に鼻を打たれて痛い仕草ですが、天狗の鼻を折る寓意も重ねられていることでしょう。というわけで、「痛い鼻」ということから「板鼻」の地口になっています。

 標題は天狗の羽団扇などで囲まれていて、コマ絵の枠も同様に天狗の羽団扇かとも思われるのですが(中山道広重美術館資料)、絵の主人公が天狗ではなく牛若丸であることを考えると、画中の牛若丸の着物の紋ともなっている源氏ゆかりの笹竜胆と見た方がよいでしょう。

Kom15  コマ絵の風景は、英泉・広重版木曽街道の「板鼻」の雪の寒熱橋(かねつばし)とは異なっています。国芳のコマ絵は、その橋を渡った先、板鼻宿まで進んだところを描いているようです。なぜならば、コマ絵の風景をよく見ると、雲に隠れた険しい山が浮き上がってきますが、それは、『木曽路名所図会』巻之四が宿場の西側にあって「切立たる如く崖岩山也」と記す、板鼻宿を特徴づける「鷹巣山」と思われるからです。

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