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41.東海道五拾三次之内 鳴海 名物有松絞 :鳴海之圖

 「鳴海」より「尾張国」に入ります。広重が先行し、国貞がそれを背景に美人を描写する版行形式も、後掲「四日市」を例外として、ここで基本的に終わり(!)となります。題材は、『東海道名所図会』にも詳しく来歴が紹介される「名物有松絞」です。絹や木綿の括り染めの一種で、有松で生産され、鳴海で販売されたので、有松絞とも鳴海絞とも言われていました。名物紹介を趣向として、広重は、旅人への店頭販売風景を描いています。実は、弥次・喜多の二人も絞りの手拭いを買い求めたと言いますから、それを作品の下敷きとしつつ、広重は、女性を中心とした旅風景に変え、この「有松絞」への女性の関心を強調しました。したがって、主題は、実景描写よりは、女性達の「有松絞」への興味津々の風情です。

 手前の黄色の塗籠(ぬりごめ)の連子窓(れんじまど)の店の一階の暖簾には、「ヒロ」(広重)、「竹内」(版元)、「新板」の紋や文字が入れられ、前掲「御油」の講札と同様、東海道シリーズの宣伝に努めています。その「御油」から数えて5枚目が終わった6枚目ということは、「鳴海」は区切りの一枚目の可能性があります。実際、これ以降、作品制作は国貞が先行しているのですから、広重の作品構成の方法にも従来との違いが生まれてきます。

Kunisada041_n  国貞の美人東海道には、広重作品の店に飾られていた紅の絞りの手拭いを頭に掛ける美人が登場します。左肩に担ぐ荷物は、扇、地紙や小物などで、それらを売り歩く商い姿です。

*掲載作品は、国立国会図書館蔵です。

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