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02.東海道五拾三次之内 品川 日之出 :品川之圖

 日本橋を出発した大名行列が品川で日の出を迎えるというのが、広重のモチーフです。前回触れましたが、まずは武家の東海道という観点から作品を創作しています。大名行列の最後尾を見送る旅人達が、御殿山に繋がる八ツ山の陰に描かれる、画面右側の榜示杭の背後に見えています。一方、出茶屋の女達は、大名行列には無関心で、視線を合わせていないようです。この辺りが、広重が拾い上げた庶民感情のありかでしょうか。

Kunisada002_n  上品にまとめた広重に対して、国貞は、火鉢の前に遊女風の女を立たせました。実は、品川は、新吉原の「北」に対して「南」と言われ、旅籠屋の抱える飯盛女(めしもりおんな)の数が多い宿場です。当然、江戸っ子には、その遊郭を抜きにして品川を語ることはできない場所なのです。国貞が遊女風の美人を描き入れたことによって、品川は生き生きとした表情を取り戻しました。

 このように、国貞は、広重の描いた風景に何かしら関連のある美人を描き添えて、広重作品に内包される(見落とされがちな)情景等を明示する役割を担っています。その意味で、国貞の美人東海道は、広重作品をよりよく理解するため、非常に有益な資料と理解されるのです。

*掲載作品は、国立国会図書館蔵です。

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