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25.東海道五拾三次之内 金谷 大井川遠岸(えんがん) :金谷之圖

 これより、東海道の旅は「遠江国」に入り、広重の作品も、副題にあるとおり、大井川を挟んで遠江側を望む川渡しの風景です。『嶋田』同様に、大名行列の渡河です。また、作品自体も、『東海道名所図会』の利用ですが、視点は反対方向に変えてあり、山腹に見えるのが「金谷」の宿ではと思われます。背景にある黒い山は、実際にはかなりスケールアップされており、平板な構図を調整する必要から加えられたのでしょう。何か「小田原」の絵組みと共通し、懐かしく(?)思います。オリジナリティーの少なさは、この時点では、広重は大井川までの旅をしていないことを強く感じます。

Kunisada025_n  国貞は、三味線を左手に持つ芸者風の美人を描いています。第一義的には、「金谷」の芸者衆なのでしょうが、浄瑠璃『朝顔日記』を思い起こすと浄瑠璃を語る芸妓が想像できます。あるいは、瞽女(ごぜ)となった朝顔自身に見立てているのかもしれません。前回でも触れましたが、国貞作品と比べると、広重が描いた風景の背後に、大井川を挟んでの浄瑠璃(悲恋)の舞台が隠されているのが読めてきます。つまり、悲恋の舞台になる程、大井川の渡河は大変だったのです。そして、金谷では、川渡しの無事を祝って「水祝い」をしたそうです。

*掲載作品は、国立国会図書館蔵です。

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