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12.東海道五拾三次之内 三島 朝霧 :三嶋之圖

 さて、作品は、「伊豆国」に入りました。副題の「朝霧」の中「三島」を出立する旅人達ですが、馬と駕籠に乗っている者等は箱根に向かい、左のシルエットの三人は、西国巡礼への旅人かと言われています。背後には、三島宿の象徴、三島明神が描かれており、旅人は道中の安全を祈ったものと思われます。なお、箱根の関所は、明六つから暮六つまでの通行という点からも、朝立ちの風景と理解されます。ちなみに、朝霧の情景を描いているのは、三島明神の神域にあることを表現するために選ばれたもので、そこには三島明神への畏敬などの庶民感情が投影されています。広重作品では、雨や霧などは気象としてではなく、感情表現としても考慮しなければなりません。

Kunisada012_n  国貞の美人東海道では、源氏絵の姫君のような美人が描かれています。三島には「三島女郎(衆)」という有名な言葉がありますが、作品の出で立ちとは不釣り合いのような気がします。関所を挟んで「箱根」と「三島」で一対と考えれば、すでに触れたように、「箱根」が『仮名手本忠臣蔵』の母・戸無瀬に該当し、「三島」は同忠臣蔵の娘・小浪と考えられます。小浪の父・加古川本蔵は桃井家の家老ですから、姫の(嫁入り)姿も不思議ではありません。他に、三島には「三島のおせん」と呼ばれる有名な女性がいますが、小浪に弾き飛ばされてしまったようです。その理由は、「原」のところで再考したいと思います。

*掲載作品は、国立国会図書館蔵です。

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