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裏富士「駿州大野新田」

Hokusai43 愛鷹山の南麓に広がる低湿地帯に「大野新田」は所在し、湖沼から富士を望む、富士の水神要素を骨子とする作品として成立しています。近景の農夫は、牛の背に枯れた葦を積み、またその先の農婦も刈ったばかりの葦を背負子で運んでいます。日神要素も排除されているわけではなく、赤く焼けた雲が夕陽の仕事帰りの風情を表現しています。

 富士に掛かる架かるすやり霞は、富士の山頂と湖沼の岸とを直接結び、富士が湖沼の葦草などからできた山のように見せる役割を果たしています。そして、近景の農夫達の運ぶ葦が、その「葦の富士」に由来することを印象付けるものです。ということは、木花開耶姫命の社(富士)とその恵みの世界(大野新田)とが描かれていることになり、富士と農民の生活との一体感や共感が主題となっているのです。「青山圓座枩」の富士が、築山仕立てになっていたのと同様の趣向です。

 白鷺の飛ぶ、沼越しの富士として名所絵化していますが、その基本部分には、やはり、富士の恵みの世界が強く意識されていたことが判ります。

*掲載の資料は、アダチ版画です。

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