山本勘助(5)
NHK大河ドラマの『山本勘助』にいよいよ、Gackt上杉謙信が登場します。当地(長野県飯綱町) は新潟県境に近いので、信玄よりは謙信に親しみを感じています。
左の浮世絵は、歌川芳年(一魁斎)描く謙信像で、上杉家の家紋の入った法衣、桐をデザインした兜姿です。美男に描かれています。改印よりすると明治元年の版行となっていますから、幕府再興を願い、天皇家にも忠実であった謙信は王政復古がなった時節には格好の題材です。
謙信が手を翳して遠くを見やる風に描かれているのは、背景の城から立ち上る煙とも考え合わせると、第四回川中島合戦において勘助の「きつつき戦法」を見破った瞬間と思われます。すなわち、煮炊きの煙から武田軍が動くのを悟った故事です。
しかし、戦上手の信玄が上杉陣営に簡単に悟られるような軍事行動を取るとは考えにくく、これも謙信伝説の一つと考えています。推測ですが、武田軍は堂々と煮炊きをしていたもので、これは退陣の準備であったのでしょう。それがどうして、本陣同士が直接ぶつかり合う程の大戦になったのか?この点が勘助の戦術が失敗したのかどうかの帰趨を決する点です。
川中島合戦が甲陽軍鑑に記されているように旧暦9月10日なのか、それともその他の資料にあるように9月4日なのか、それによって前夜の月明かり、当日の朝霧など自然条件に違いが生まれてきます。意外にも、気象条件が開戦の口火となった可能性があります。ただし、この日付自体も、武田上杉両家の伝説化の中で作られたものかもしれませんが。
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